
大房友美さん × マネージャー 黒木志保さん対談
「できない」から「できる」へ。コーチングで見つけた新たな自分
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コロナ禍での転職、オンラインでのコミュニケーション、バックオフィス業務特有の課題……。様々な壁に直面しながらも、コーチングを通じて自己変革を遂げたHENNGEの大房友美さん。社内に女性のロールモデルがまだ少ないなかで、マネジメント候補としての期待を受けて踏み出した一歩。その成長の過程とコーチングによる成果を、上司である黒木志穂さんと共に振り返りました。
プロフィール
大房友美(写真右)
HENNGE株式会社 Order Management Section。2020年10月入社。主力製品HENNGE Oneの見積作成から請求業務まで幅広く担当。チームの属人化を防ぐため、新入社員のメンター役も務める。
黒木志保(写真左)
HENNGE株式会社 Order Management Section。大房さんの直属の上司であり、チームマネジメントを担当。コーチング経験を活かし、メンバーの成長支援に注力。
「多様性」への共感から始まったHENNGEでのキャリア

まず、HENNGEに入社された経緯を教えていただけますか?
大房さん:前職は12年弱働いていたのですが、男女のキャリアの枠組みが強いところがありました。女性としてキャリアを重ねていこうにも「これ以上は先がないだろう」と感じたんです。そんな中で、HENNGEは多様性のある組織だと感じて。私自身、多様性という価値観をとても大切にしているので、ここで働きたいと思いました。
現在はどのような業務を担当されているのでしょうか?
大房さん:私たちのチームは、業務を属人化させないというミッションがあって、誰が対応しても何でもできるチーム作りを目指しています。その中で、主に見積もりの作成や受注処理、請求書の発行など、営業事務にまつわる仕事を担当しています。また、新入社員のメンターとしても関わらせていただいています。
大房さんがコーチングを受けることになったきっかけは?
大房さん:上司の黒木さんからおすすめされたことがきっかけです。
黒木さん:私自身がHENNGEの研修でコーチングを受けていて、その効果を実感しました。大房さんにはぜひマネージャーを目指してほしいと考えていましたから、思考のトレーニングを受けることで新たな視点が得られたり、自分がすべきことが見えてきたりといったきっかけになったらと思って、おすすめしました。
大房さん:私自身も実は以前に短期のコーチングやカウンセリングを受けた経験があって、その効果を実感していたんです。なので、黒木さんにお話をいただいた時は、すぐに「やってみたい!」と応えました。
コロナ禍の中での入社…「自分史上最もポンコツな状態」に直面
大房さんの入社当時はコロナ禍の真っただ中でしたね。
大房さん:はい。2020年10月の入社でしたが、その頃はまだ日常生活も働き方も大きく変わった時期で、自分がうまく適応できませんでした。特にオンラインでのコミュニケーションが難しかったですね。全員が初対面の相手と、オンラインだけでやり取りする。自分が望むようなコミュニケーションが取れず、上手くいかない状態が続きました。
黒木さん:当時は評価面談でも「そんなことないよ」とポジティブなフィードバックを伝えていたつもりなのですが、なかなか受け止めてもらえなかったですね。
大房さん:そうですね……10個の仕事があって8個はできていても、できなかった2個にばかり意識が向いてしまう。そこから負のスパイラルに陥ってしまって。私の中では「自分史上最もポンコツな状態」という認識でした。
ミーティングで質問したいことがあっても「自分のポンコツ具合をさらけ出すだけでは……」なんて考えが先に立って、なかなか発言できないこともありました。
黒木さん:私たちの業務は減点方式なので、100点が当たり前、80点ではプロセスが評価しづらいというところは確かにあります。その中で自信を失っていってしまう状況は、よく理解できました。

だからこそ、コーチングが効いて来るのでは、という思いもあったんです。異なる角度から自己肯定感に糸口が見えてくると、仕事に対してのモチベーションが上がっていくはずですし、その過程をコーチングを通して身につけてもらえたら嬉しいな、と。
コーチングを通じて気づいた「本当の自分」
コーチングセッションの中で、特に印象に残っているエピソードはありますか?
大房さん:やりがいについて話している時の気づきが大きかったですね。前職ではお客様と直接話して、自分が売上を作れることにやりがいを感じていました。ただ、今の業務ではそれが難しい。でも、コーチとの対話を通じて、実は「裁量権」が私のやる気に大きく関わっていたことに気がつきました。
黒木さん:その気づきがあってから、いくつかのプロジェクトをお願いしたんです。セールスの他のメンバーと一緒にルールを策定したり、ディビジョン全体に関わる取り組みをしてもらったり。そうしたら、本当に素晴らしいバリューを出してくださって。
コーチングを通じて、具体的にどんな変化がありましたか?
大房さん:パニックゾーンとストレッチゾーンという概念を学んだのが大きかったです。それまでは何かやりたいことがあっても、すぐにパニックゾーンで考えてしまい「できない」とレッテルを貼っていました。でも、ストレッチゾーン、つまり「少し頑張ればできること」から始めようと考えられるようになりました。まずは、黒木さんに相談することから(笑)。

黒木さん:以前から意見は言ってくださっていたんですが、コーチング後は、より実現可能性の高い提案が増えましたね。例えば、製品が変わる中で「ここの部分が変わるから、この作業も変えなければいけないと思います」といった具体的な提案をしてくださるようになって。私が現場を離れている分、そういった気づきはとてもありがたいです。
大房さん:自分にも周りにも変化がありました。これまでは質問することにも躊躇していましたが、「私にはこの知識があって、相手にはない。逆に、相手にはこの知識があって私にはない。だから助け合える」と考えられるようになったんです。
黒木さん:コミュニケーションの取り方も変わってきましたよね。出社頻度も意識的に増やしてくださって、営業の方々とも自然なコミュニケーションが取れるようになった。また、テキストでのコミュニケーションも得意で、私が忘れていることを「これどうなってますっけ?」と進捗を確認してくれたり。
大房さん:今では質問をいただく機会も増えました。「この件なら大房に聞けばいい」と思っていただけるような関係性が作れてきたのかなと感じています。
他にも、コーチングで印象的だった気づきはありますか?
大房さん:体の反応に気づけるようになったことですね。コーチとの対話の中で、ある状況について「喉が握りつぶされているような感覚」「体が針金でぐるぐる巻かれているよう」と表現したんです。すると「体の反応がすごくいいですね」とフィードバックをいただいて。それまで意識していなかったのですが、実は自分が「これは嫌だな」と思う前に、体が何かしらのサインを出していることに気づきました。
それから、コーチとの対話の中で「自分の思い込み」に気づかされたことも大きな経験です。たとえば、「憤り」を感じていると思っていた出来事が、実は「悲しさ」が原因だったと分かったり。本当の感情に気づかないと問題は前に進めません。そういった本質的な部分の深堀りは、一人では絶対にたどり着けなかったと思います。
求めるロールモデルがいない人には特におすすめ

コーチングは、どのような人におすすめですか?
大房さん:悩みがある人はもちろん、今は悩みを持っていなくても、自分の知らない自分を見つけたい人にもおすすめしたいですね。私自身も、やりがいの源が「裁量権」だったことなど、思ってもみなかった発見がありましたから。
黒木さん:新入社員からマネジメントレベルまで、絶対に悩むことはありつつも、答えを自ら出さないといけません。その「答えを探す方法」のトレーニングとしても、いろんな方におすすめです。
特に、ロールモデルがいないと悩む女性には、ぜひコーチングを受けてもらいたいです。私自身、社会人歴が長くなってきましたが、求めるロールモデルはなかなか出会えないものです。でも、コーチングを通じて、「どんな自分になりたいか」を整理すると、ロールモデルを探すのではなく、自分らしい道を見つけられるようになります。
大房さん:自分自身のこれまでの整理にもなりますよね。たとえば、自分の癖みたいなものにも気づけます。それは良い場合もあれば、ところどころで癖に引っ張られてしまうこともある。自分を知り、足を取られるのではなく進み続けるために、「新しい癖」をもっと定着させていきたいです。そして、私自身が受けたサポートを、今度は新しいメンバーにも提供できる存在になっていければと思います。
黒木さん:マネジメントの立場から見ても、人は一人では変われませんし、上司との1on1だけでも限界がある。でも、プロコーチという第三者の力を借りることで、自分の中の新しい可能性に気づける。そういう機会を提供できることは、組織としても大きな価値があると感じています。

今後の目標についてお聞かせください。
大房さん:今のチームをより強くしていきたいですね。新しいメンバーがジョインする中で、その人の強みをすぐに発揮できる環境づくりに興味があります。ユニークで強いチームを作っていきたい。それが会社として掲げる価値観であり、よりよく変化しつづけるための掟である「HENNGE WAY」の体現にもつながると思っています。
黒木さん:私たちのチームは業務を属人化させないというミッションがありますが、その中でも個々の強みを活かすバランスが大切です。大房さんがおっしゃる「ユニークで強いチーム」は、多様な経験や強みを持つメンバーが集まってこそ実現できるはずです。
バックオフィスという立場を超えて、全体に働きかけられる存在に成長していただいている。今後も様々なプロジェクトを通じて、さらなる成長の機会を提供していきたいと考えています。
ありがとうございました!引き続き、mentoコーチとともにご活躍を応援してまいります。

mentoサクセス担当宮城、人事の脇屋さんと共に