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部課長100名へのコーチング導入。リーダーが率先して生き生きと働く組織へ
部課長100名へのコーチング導入。リーダーが率先して生き生きと働く組織へ

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国内だけでも1万人以上の従業員を抱える、パナソニック インダストリー株式会社。
グループ創業者の松下幸之助が残した言葉「物をつくる前にまず人をつくる」にもあるように、人材を組織の中心に据えるカルチャーが根づいているといいます。

今回導入いただいたのは「部長・課長100名を対象とした1年間(1期)のコーチング支援」で、2期の継続も決定いただきました。これまでにも従業員向けに研修や学びを手厚く提供してきた同社ですが、一人ひとりに寄り添った“1:1”の支援を試みたのは初めてだったそうです。

「これからは、上意下達に“教えるマネジメント”ではなく、個々に寄り添い“引き出すマネジメント”が求められている」と話す黒木生也さん(人事戦略統括部 人財開発部 部長)に、コーチング支援の導入までのプロセスと考え方をインタビューしました。

管理職の活性化が、チーム・組織の活性化へつながる

今回、mento for Businessを「部長・課長」を対象に導入いただきました。対象者はどのように決定されましたか?

黒木さん:組織のパフォーマンスを左右するという意味では、当社では部長・課長がキーとなるポジションに置かれています。まずは部長・課長をどれだけ活性化させられるが、組織の活性化にもつながると考えました。
実際、エンゲージメントの高いチームには共通して、リーダーが率先して生き生きと働いていると感じます。

 

それに、多くの会社で管理職の負担増は課題です。事業目標の達成、プロジェクト管理、メンバーとの関係性構築やマネジメント、他部署との連携など、管理職にはさまざまな業務が求められます。そもそも、管理職はすごく難易度の高いことを求められているんです。


抱えているチームやメンバーが異なるので、管理職ごとに悩みもそれぞれ異なります。
さらに、立場上、人に相談しづらかったり、一人で抱え込んでしまったりというケースは少なくありません。

そんな管理職にこそ、1:1のパーソナルな支援が必要だと感じたんです。知識や教育ではなく、日常的に実践的に扱える「武器」を管理職に授けることが、何より課題解決になるのではと思いました

組織の波及効果を踏まえ、100人一斉導入へ

「管理職100名」へ一斉にmento for Businessを導入いただきました。受講者の人数はどのように決められましたか?

黒木さん:実は、100人を決して多いとは思っていません。もちろん、数だけみるとインパクトがありますし、大きな予算ではあります。しかし、当社には部長・課長はあわせると約1500人いるので、100人といっても全部長・課長の10%に満たない数です。

 理想を言えば、1500人全員に受けてもらいたいというのが正直な気持ちではあります。ただ、予算を考えても現実的ではありません。かといって、10人、20人に導入しても組織へのインパクトは弱いだろうと思いました。そこで、コーチングの効果が個人から組織へと広がり得る規模で、予算内に収まる最大人数というところで1年間で100人と設定しました

本施策を単発で実施するつもりはありません。最終的には全部長・課長に受けてもらいたいと思っています。そのため、2年目となる2期では新規受講者のみを100人募集しました。1500人全員が受けようと思えば、単純計算でも10年以上はかかります。

でも、組織のカルチャーを変えるというのは、それくらいの期間で考えないとできないことだと思っています。

 

1期の成果として、管理職の個人の行動変容はもちろん、それを受けてメンバーからリアクションがあったり、チームのパフォーマンスへ波及していったりという結果も報告されています。今後も支援を継続し、毎年どんな変化が実感できるか楽しみです。

1年間コーチが「気づき→行動」のサイクルに伴走

今回、「1年間を1期」として設定いただきました。期間を1年にしたのは、どのような理由からですか?

黒木さん:人の行動ってそんなに簡単には変わらないと思うんです。自分一人の行動を変えるだけでも大変ですし、それがチーム、組織となるともっと時間がかかります。

 

実は、管理職が本当に求めているのは、現場で起こりがちなスキルで解決できる技術的課題に寄り添うことではない気がしています。

もっと自分自身の自信のなさだったり、人間関係への不安だったり、そういうモヤモヤとした悩みや期間をどう乗り越えるかの方が深刻で、自分自身だけで解決できずに抱えてしまう人が多いのではないでしょうか。

コーチに気づきをもらい、自分で咀嚼しながら少しずつ行動するというサイクルを回して、ゆくゆくは自分で自問自答して解決していけるようになっていく——それがコーチング支援に求める結果ではないかと思っています

 

もちろん個人差はあるでしょうが、「気づく→行動する」というサイクルを回して自分一人で解決していけるようになるには、3ヶ月では短すぎますし、半年でもおそらく短いだろうという感覚値がありました。

ようやく「気づけた!」というところで支援が終わってしまっては、とてももったいないことです。

一人でも多くの人が気づいて行動を起こせる可能性が高まるよう、一人ずつに1年かけて支援していこうと決めました。

事前告知と立候補制で1日で100人の応募

新しい施策を導入する際には、いかに対象者に前向きに取り組んでもらうかというのも人事の心配事かと思います。何か工夫されたことはありますか?


黒木さん:社から従業員へ向けて1:1のパーソナルな支援をするというのは、今回が初めての試みでした。
パーソナルな支援だからこそ、施策を効果を出すためには主体的に取り組んでもらえるかがポイントでした。


そこで、対象者(管理職)と人数(100人)を決めた後、受講者を決めるときには立候補制で募集しました

 

急に募集しても集まらないので、まずは告知から行いました。mentoさんから、社内イントラで告知できる説明資料をご提供いただいたので、それを活用しました。
何度も目に留めてもらうことが重要だと思ったので、一定のリードタイムを設けて頻繁に目に入るよう工夫しましたね。

▼告知資料


イントラ以外でも、全部長・課長を対象に申込前のオンライン説明会をしてもらいました。今回のコーチング支援がこれまでの研修とどう違うのかを、コーチを招いて説明するものです。特に「今回のコーチング支援は、知識を学ぶような研修ではない」という部分を強調してもらいました

当社では過去にコーチング研修を実施したことがあるので、「前も受けたからいいや」「どうせ、傾聴しましょうっていう話でしょ」と型ハメのスキル提供だと誤解をされて、チャンスを逃してほしくなかったんです。

工夫した甲斐もあり、募集をかけてからたった1日で100名の定員が埋まるほどに申し込みが殺到しました

申し込み時だけではなく、1年間実施してみて途中で脱落者が1人も出なかったことも嬉しく思っています。

導入時の工夫が功を奏したことに加え、一番の成功要因はニーズと提供コンテンツがピッタリ一致したことだと思っています。

大事なのは、喉が渇いている現場にちゃんと水を提供できるかどうか。そして、その水が本当においしいかどうか。それに尽きると思います。

現場が必要とするものを、提供したからこそ今回の結果につながっているのではないかと思います。


▼社内説明会の様子

実際にコーチングを受けた管理職の方々の変化について、どう捉えていますか?

黒木さん:もちろん、それぞれのメンバーが重要な役割を果たしてはいますが、組織のパフォーマンスを左右するという意味で、管理職は組織の要です。管理職が生き生きと働けていることが、部下へのマネジメントにも影響し、部のパフォーマンスひいては強い組織づくりにつながっていくと信じています。

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