HR本部 マネージャー 廣田章剛さん
コーチングにより社内の共通言語が増え、マネージャーの傾聴力が向上!グローバルエージェンツのコミュニケーション変革
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ソーシャルアパートメントやライフスタイルホテル、レストランやワークプレイスなどの事業を展開し、誰もが多様な情報・人脈・機会にアクセスできる社会を目指す、株式会社グローバルエージェンツ。組織規模拡大の最中である同社は、マネジメント層のコミュニケーション強化に向けてmentoのコーチングサービスを活用しています。今回、HR本部マネージャー廣田章剛さんに取材を実施し、コーチング導入の背景や成果などについてお話を伺いました。
組織拡大の中、コミュニケーションを可視化すべく1on1を強化
はじめに、会社のミッションと事業概要についてお聞かせください。
廣田さん:
グローバルエージェンツは、「⼀⼈ひとりが⾃⼰実現に邁進できる社会をつくる」というミッションのもと、交流型の賃貸マンションであるソーシャルアパートメント事業、ライフスタイルホテル事業の2事業を主軸に、飲食事業やワークスペース事業も展開しています。
「自己実現」は、ひとりの力だけではなく、多様な情報や機会や人脈により成し遂げられるものだと考えています。そのため、当社が提供する住まいやホテルには共用のスペースを設けて、情報・機会・人脈が生まれる仕掛けをしています。そして、当社の事業を一時的な流行に終わらせるのではなく、文化として根付かせていきたいという想いを込めて、「世の中に新しい価値を生み出し文化を創る『文化創造企業』になる」をビジョンに掲げています。
コロナ禍の2022年、HR本部を立ち上げられたと伺いました。その背景をお聞かせください。
廣田さん:
コロナ禍は、ホテル事業や飲食事業を展開する当社にとって、かなり大きな逆風でした。その状況から何とか明かりが見え始めた2022年、代表が「逆風を乗り越えて、これから成長フェーズに入っていこう」というメッセージを発信しました。つまり、棟数を拡大して拠点を増やしていくということです。組織が拡大して遠隔地の社員も増えるなか、組織基盤をより強固にし、強い組織文化をつくっていく必要があります。そこでHR本部を設置したのです。
HR本部では、どのような取り組みをしているのでしょうか?
廣田さん:
立ち上げ当初は労務DXを推進して基盤システムを総入れ替えし、その後データを組織開発に活用し、事業貢献につなげていく取り組みを進めていきました。それから、組織文化を強くするコミュニケーションの課題に取り組みました。
コミュニケーションはなかなか数値で可視化することができないため、属人的かつ定性的になりがちです。組織が拡大し地方拠点の展開が進むなか、遠隔地でどのようなコミュニケーションやチーム形成が行われているのか把握する方法がないか模索をしていました。
背景としては、組織規模が大きくなってもルールで縛りすぎず、フラットな組織であり続けたいという想いがありました。規模が大きくなっても一人ひとりと向き合っていきたい。そう考えたときの解決方法は、ルールではなくコミュニケーションですから。そこで、1on1を強化していくことにしたのです。
1on1の仕組みを導入した狙いについて教えてください。
廣田さん:
組織が大きくなる中で、まず成長支援をしていきたい対象は、マネジメント層でした。マネージャー陣が適切な判断力や課題解決力を身に付けてメンバーにしっかり向き合うことができれば、チームが強くなります。それが組織全体の活性化につながるため、マネージャーとメンバーとの1on1を強化したいと考えました。
マネジメントの「引き出す力」の経験学習として、コーチングを導入
1on1を支援するためにmentoを導入いただきましたが、その背景を教えてください。
廣田さん:
先ほどお話ししたコミュニケーションを可視化するべく、1on1ツールを導入していました。しかし、仕組みを入れるだけであとは現場任せにしても、定着するはずがありません。そのため、仕組みを入れた上でHR本部として支援をする必要があると考えました。それまではマネージャーそれぞれの個性に頼っていたメンバーとのコミュニケーションを、コーチングを導入することによって支援することにしたのです。
なぜ、支援としてコーチングを選択されたのでしょうか。
廣田さん:
メンバーとのコミュニケーションにおいて、マネージャーがそれぞれの個性を活かしていくことは大事なのですが、組織が大きくなれば全社共通言語としてのコミュニケーションの基盤も必要となります。その成長支援をするには、コーチングが最適だと考えました。
そしてこれは個人としての経験なのですが、僕自身がコーチングを経験しており、内省の大切さをリアルに感じていたことも大きな理由です。僕はコーチングで自分の考えを引き出してもらうという経験をして、「こんなコミュニケーションがあるんだ」と自身の体験をもとに学ぶことができました。
一方、当時のマネージャー陣のコミュニケーションは、自己発信してメンバーを率いていくスタイルが主流でした。自分が発するだけではなく、相手のことを引き出すコミュニケーションを身に付けることができれば、マネージャーもより一層成長しますし、さらにメンバーの成長を促すことにつながるはずです。コーチングによって引き出してもらう体験をして、さらにそのスキルを取り入れて欲しいと考えました。
相手の話を引き出すスキルを身に付ける方法として、座学研修ではなく、実際に体験してほしい、と思ったのはなぜですか?
廣田さん:
座学研修は、その場の満足度は非常に高いのですが、現場に戻ると忘れてしまいがちです。一方で経験をベースとした学びは、定着しやすいと考えています。だからこそ、経験学習としてコーチングを実際に受けてもらいました。まずは3カ月間、100%自分の悩みや課題のためにコーチングを使いながら、一方で相手のことを引き出すスキルも学習してもらえるようにしたのです。
特にmentoを選定した理由を教えてください。
廣田さん:
受け放題プランというサービス設計が大きかったです。そして導入時はマネージャー37名に受けてもらいましたが、それだけの人数がいれば、一人ひとりコーチングへの需要も異なり、一律で管理するのは難しくなります。1回単価ではないことは法人としても安心感があり、個人のペースに合わせられるプランだったことは魅力でした。
コーチの質においても、他を受けていないので比較はできませんが、僕自身がmento のコーチングを受けていたので信頼感が大きかったですね。
実際にmentoのサービスはいかがでしたか。
廣田さん:
導入支援とアフターサポートの満足度がとても高いです。特に、受講者への初回オリエンテーションで、コーチングとは何かをしっかりインプットいただけることで、期待感も醸成されました。フィードバックも数値としていただけますし、インタビューも取り組みの振り返りとして活用できるため、ありがたいですね。
「相手から引き出すスキルも重要」共通認識が社内で醸成できた
導入の成果について教えてください。
廣田さん:
「相手を引き出す」コミュニケーションについて、共通体験や共通認識が持てたことが、非常に良かったと思っています。誰もが「コミュニケーションは大事だよね」と言いますが、コミュニケーションというのは人によって定義が異なります。今回コーチングを導入することによって、傾聴と問いとフィードバック、これら3つをコミュニケーションの重要な要素として切り出して分解し、それぞれスキルとして落とし込むことができました。
特に「傾聴」は、mentoのサービスを導入していなければ社内に広がっていなかったと思います。あるマネージャーは、「今まで、僕がたくさん話していたことに気づきました。コーチングを受けたことで、一方的に話すだけではいけないと気づき、今はメンバーに話してもらうように気を付けています」と話してくれました。マネージャーは発信することが大切だという価値観に加えて、メンバーの発言量を増やしていくことも大切だという価値観を授けることができたのは大きな成果です。彼は、今後もコーチングを受け続けたいと話してくれています。
1on1を浸透させるにあたり、コーチングを導入する価値をどう考えていますか。
廣田さん:
1on1には、大前提としてコミュニケーションスキルが必須です。そのスキルをマネージャーが伸ばすために、会社が支援することは自然な流れだと思います。そのスキルとは何かというと、プレゼンテーションなどn数に聞かせるスキルではなく、1対1で向き合う対話力です。それが、先ほど話した傾聴と問いとフィードバックであり、それらのスキルはコーチングによる経験学習で磨くことができると考えています。
これからもコミュニケーションを重視した組織運営をしていきたい
今後、コーチングをどう活用していきますか?
廣田さん:
これまでと同様、新任マネージャーに対しては、コミュニケーションの共通認識を形成するうえでも、コーチングを受けてもらいたいと考えています。そして一度受けた人については、希望する人には継続して機会を提供して行きます。ただ、そこで手を挙げない人に対しても、定期的に振り返りの機会を設けていきたいですね。やはり時間が経つと薄れてしまったり、うっかり前の行動に戻ってしまったりするため、何かしらのきっかけを作り、再燃させていきたいです。
最後に、これからの組織の展望をお聞かせください。
廣田さん:
会社の規模が大きくなっても、役職やタイトルに依存しないフラットな組織であり続けたいです。どんなポジションであっても、やりたいことを実現できて、言いたいことを発言できる文化を大切にしていきます。そのためには、メンバーの発言量を増やしていく必要があるので、マネージャーの引き出す力や傾聴力を引き続き磨く取り組みを続けていきたいですね。
カスタマーサクセス担当の荒生と、広報の岩田とともに