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事業変革と組織拡大のなか、ミドルマネジャー向けにコーチングを導入した理由
事業変革と組織拡大のなか、ミドルマネジャー向けにコーチングを導入した理由

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生産性向上のパートナーとして、企業のリーンオペレーション実現を支援する、株式会社スタディスト様。事業の変革と組織の急拡大期を迎える同社は、パフォーマンスに大きな影響を与えるミドルマネジャー層の成長支援に注力しています。その一環として、mentoのコーチングを導入いただきました。

今回は、同社の執行役員 CHRO / 人事部長 今井 威紀さんに、コーチング導入の背景やmentoの選定理由、そして具体的な成果などについて伺いました。

組織変革と組織拡大のなか、「ミドルマネジャー」の成長支援に着目

はじめに、事業内容と方針をお話いただけますでしょうか。

今井さん

スタディストは、「伝えることを、もっと簡単に」のミッションのもと、「知的活力みなぎる社会をつくる」をビジョンに掲げています。「Teachme Biz」という、マニュアル作成・共有システムを主力事業として、お客さまの生産性向上に向けたサービスを展開しています。

2年ほど前に、組織の生産性向上に向けてオペレーション改善と価値強化を継続的に行う「リーンオペレーション」という統合事業コンセプトを打ち出しました。今後、「Teachme Biz」にとどまらず、複数サービスの立ち上げやグローバル展開の加速を推進していく予定です。

事業の変革と成長に伴う、組織としての重要課題を教えてください。

今井さん

以前のようにまだ小規模な組織で「Teachme Biz」のワンプロダクトにフォーカスした事業展開であれば、経営層が全体像を把握した上である程度トップダウンで一律に舵取りができていました。

それに対して、リーンオペレーションの実現支援に向け、多様な事業を展開する今後の組織は、経営だけではハンドリングできなくなります。そこで重要になるのが、ミドルマネジャーの存在です。グループマネージャーや部室長が中心となって各部門が自律的に動き、協働が進むような組織づくりをしていく必要があります。そうした組織で求められる人物像は、「リーンオペレーション」の実現に向け、お客様の課題解決のため自走できる人材です。

こうした組織変革が進むなかで、経営とメンバーの結節点となり組織全体のパフォーマンスに大きな影響を与えるミドルマネジャーの成長支援が不可欠だと考えています。ミドルマネジャーが働きかけることで、足し算ではなく掛け算の組織を実現していくことが理想です。

ミドルマネジャー育成に向けて、どのような取り組みを進めていますか。

今井さん:

まず新任管理職には、外部の管理職研修を受けてもらっています。そして全管理職向けに、360度サーベイを中心とした管理職育成プログラムを実施しています。これは単にサーベイを行うだけで終わりではなく、ワークショップを通して評価の読み解きと振り返りを行い、今後の行動改善や組織運営に活かしていきます。

そこで認知した強みをどう伸ばすのか、弱みをどう克服するのかという課題設定に合わせて、人事が選択型研修プログラムをレコメンドしていきます。そのなかの一つとして、コーチングを導入しています。

コーチングを通じて内省を進め、自分のチームのあり方を模索する機会に

ミドルマネジャーに向けて、コーチングを導入した背景について教えてください。

今井さん

先ほどお話ししたように、事業が変化するなかで特に大変な役割を担うミドルマネジャーを支援したいという想いがありました。特に当社は組織の成長に伴い、十分な経験がないままマネジャーや部長に登用されるケースも少なくありません。ミドルマネジャーの成長を支援するにあたってさまざまなアプローチがありますが、自身のリーダーシップの確立や、問いや傾聴のスキルを習得するには、コーチングが適していると考えました。

コーチング導入により、どのような成果を期待しましたか。

今井さん:

一つは、自身のリーダーシップの確立です。リーダーシップには正解がないからこそ難しいと思います。もちろん定石はありますが、そこに自分らしさを乗せることで、得意なマネジメントスタイルが成り立つはずです。その際、やはり自分自身を知らなければなりません。コーチングを通して内省することで、自分自身を認知することや自分が関わるチームのあり方を模索する機会になることを期待しました。

もう一つは、コーチングを受けることを通じて問いかけの技術を習得することです。私自身、前職で営業マネジャーをしていたとき、コーチングのような関わりでメンバーに内省を促して学びにつなげることを意識していました。それによってメンバーが成長し、組織が大きくなるという経験があり、当社でもマネジャーが働きかけることで経験学習のサイクルを回していける組織にしたいと思っています。

mentoを選定した理由についてもお聞かせください。

今井さん:

mentoの営業担当の方がコーチングという枠組みだけではなく、「人や組織」という大きなテーマのなかで壁打ちをしてくださったからです。スタディストの今の事業環境はどうなのか、人事として何をしたいのかを捉えたうえで、そのためにコーチングをどう位置付けたらいいのか、パートナーとして共に考えるなかで信頼できると思いました。他のサービスを比較したなかでも、今回のターゲットとなるミドルマネジャーの成長支援には、mentoのサービスが最適だと考えましたね。

実際に導入後に感じたこととして、コーチングというのは効果の可視化がとても難しいのですが、振り返りのインタビューを実施したりアイデアをもらえたりと、細やかで頼もしい伴走に助けられています。

複数のマネジャーに、明らかな行動変容がみられた

mentoのサービスを導入いただいて、どのような変化がありますか?

今井さん

受講者全員、満足度が非常に高いです。導入前は懐疑的な人も何人かいましたが、実際に受けたあとは満足度が高く、行動変容が見られたことが成果だと思います。受講者の上司からも「あの人は変わったよね」と言われることが多いですし、本人たちも「こういうことを変えようと思った」と意識の変化を話してくれます。

特に印象に残っている変化の事例を教えてください。

今井さん

マネジメントスタイルが大きく変わった方がいましたね。ご自身の絶対的な基準でマネジメントを行っていた方が、コーチングを受けた後はメンバーの特性に合わせて関わり方を変えて接するようになったとおっしゃってました。多様なメンバーに対する向き合い方の変化は、コーチングを受けたからこそだと思います。

また、以前は業務の遂行や定量的な成果にフォーカスしていたところから、コーチングを受けた後はメンバーのキャリアや働き方にかなり意識を向けるようになったという方もいます。その方は自分自身の今後のキャリアや働き方の内省を進めるなかでその効果を感じたようで、最近はメンバーのキャリア開発プロジェクトの立ち上げまでしており、私たちも変化に驚いています。

今井さんご自身もコーチングを受けられましたが、どのような気付きがありましたか?

今井さん:

管理職になると自分のためのまとまった時間を取ることができなくなるため、コーチングでまるまる1時間自分のために使えることは、とても貴重な機会だと感じました。内省が深まることで、気付きを得られて新しいアイデアも生まれてきます。非常に濃縮された時間ですね。

「知的活力みなぎる社会をつくる」ビジョンを、まずは自分たちが体現する

初年度の成果を踏まえ、2シーズン目が始まっていますが、どのような狙いで継続いただきましたか。

今井さん

はじめは、まずコーチングを知ることや各々のリーダーシップを見出すことを主軸に置いていました。ただ、初年度ということもあってテーマ設定のバラつきなど課題があったことも事実です。そこで2シーズン目は、360度サーベイと連動して、サーベイ結果の振り返りの場としてテーマを設定し、コーチングを継続しています。

社内での反応はいかがでしょうか。

今井さん

社内でコーチング受講希望者を募ったところ、嬉しいことにかなり多くの人から立候補がありました。今回の予算のなかで人事で選抜をして、選抜された方々には経営陣から選抜の理由と期待のメッセージをしっかりと伝えて、コーチングに臨んでもらうようにしています。

スタートアップの組織成長フェーズに、マネジメント層のコーチングを導入することは、どのような価値があるとお考えでしょうか。

今井さん

スタートアップの場合、組織の成長が早く「気付いたらマネジメントのポジションに就いていた」というケースがきっと多いはずです。そもそも社員数が少ないためロールモデルもいませんし、組織の土台が整っていないため、手探りで進めていかねばなりません。

よく「マネジャーは孤独だ」といわれますが、スタートアップではさらに孤独だと思います。何を基準に、何を軸にしていくのか、マネジメントとしての拠り所がない環境において、第三者として寄り添ってくれるコーチの存在は非常に大きな価値があります。

特に、どんなスタートアップに向いていると思いますか。

今井さん

人に期待をして、人が成長することを信じている会社には、向いていると思います。先ほどもお話ししたようにコーチングは位置づけや成果の可視化が難しい面もあるので、人の可能性を信じてサポートしたいという文化が前提になければ、成果の実感も得られにくいのではないでしょうか。

今後の組織づくりの展望についてお聞かせください。

今井さん:

本当は、社員一人ひとりに専属のコーチがついている世界観が理想です。しかし現実的には難しいため、まずはマネジャーがハブとなってコーチの役割を担い、メンバーの良き理解者になることが第一歩だと考えています。

当社はビジョンとして「知的活力みなぎる社会をつくる」を掲げていますが、まずは私たち自身が知的活力みなぎる組織を目指していきます。組織力の向上が事業の成長につながるという意識を、マネジメント層のみならずメンバーにも持ってもらいたいですね。そうなれば、仕事が楽しくなって自律心も芽生え、成長実感も得られます。一人ひとりが担う役割も広がり、組織としての総力が大きくなれば、事業も拡大していく、そういう好循環を生み出したいです。

ありがとうございました!引き続き「知的活力みなぎる組織」を作る支援をしてまいります。

mentoカスタマーサクセス担当の荒生と宮城とともに

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